また試乗会へ 2

昨日の続き。

Kawasaki W800

6. Kawasaki W800 '12

トラもWも好きで、以前に何度かW650は乗った事がある(復刻版)。そんなせいで期待して乗ってみたのだが、エンジンがスムースすぎて自分が期待するツインらしさが足りない。技術の進歩でこうできるようになったんだろうけど、自分がこの手のバイクに求めるものって、こういう事じゃないんだよね。もっとトコトコ感が欲しい。スロットルを開けるといとも簡単に「ブリ〜ン!」って回るんだけど、そのぶん爆発毎の駆動感が薄れてて、これじゃ何もこのバイクじゃなくてもいいじゃないってなっちゃう。以前乗らせてもらったW650の方が楽しかった気がするのは気のせい? スタイルはいいのにね。

Suzuki GSX1250F

7. Suzuki GSX1250F(バンディット)'12

かつて憧れた可変バルブのバンディット400Vや美しいロケットカウルの付いたLTD Vの面影など微塵もない。乗ってみると、楽なポジションや扱いやすいエンジンで、ツアラーとしては良く出来ていると思うが、至って普通。この手のバイクならたくさん選択肢はあるし、なぜこれに「バンディット」という名前を付けたのかが疑問。自分の中のバンディットは、もっとセクシーでちょっと悪っぽいイメージだからね。

Yamaha FZ1

8. Yamaha FZ1 '12

流行なのか分からないが、最近多く見かけるストリートファイター系のデザイン。ところが乗ってみると、これホント良く出来てるバイクだなって思える楽しさ。ツインにことごとく期待を裏切られているので、こうなるとマルチも楽しく感じてしまう。このバイクなら「アリ」だ。跨がった景色も、複雑な曲線を描くタンクラインやネイキッドならではの広い視界で、とても気持ちが良い。ホールド感抜群の車体と219kgとは思えない軽い取り回しで、コーナーがとても楽しい。アクセルにすぐさま反応するレスポンスの良さだが、決してギクシャクはしない。あくまでライダーの意思を素直に伝えてくれる、とても気持ちがよいものだ。ちゃんとタコメーターもアナログだしね。あれ、マルチってこんなに楽しかったっけ?と、改めて感じさせてくれたバイク。

Yamaha YZF-R1

9. Yamaha YZF-R1 '12

最新のリッターSS。さすがに145psなので緊張しながら走り出したが、想像していた扱いづらさは全くなかった。もちろん「早く」走る為のものだから、このバイクが一番サーキットでは面白い。とにかくコーナーが楽しい。試乗会だからそんなに飛ばせないけど、それでも抜群の接地感がライダーに安心感を与えてくれる。この接地感、今までで一番ステキ。ざっくり言うとBMWはバイク任せという感じ、逆にDucatiは「ほら、もっと早く、ほれほれ」とバイクに煽られる感じ、これはすっごく自然。背伸びをしなくてもその速度で的確に情報を伝えてくれる感じで、ぬるい速度でコーナリングしてても楽しい。倒し込みたければスッと入り込むし、アクセルを開ければイメージしたラインを気持ちよく描ける。じゃじゃ馬を乗りこなすのではなく人馬一体という感じで、それはそれは楽しいバイクだ。今回乗ったバイクで、ヤマハはバイク乗りの気持ちがよーく分かってるメーカーなんだなぁと、つくづくそう感じた。

HD FLSTN '94

10. Harley Davidson FLSTN '94

久々のハーレー。ちょうど20年前のモデルの1340ccエボは、今も快調に動いていた。もうこのバイクに理屈は要らない、乗ってすぐに笑いがこみ上げてきてしまった。別に曲がる訳でもなく、ブレーキが利く訳でもなく、快適な訳でもないこのバイクがなぜこんなに楽しいのかは、今も謎だ。いつかまた乗る日がやってくるのかは分からないが、その時はまた遠くへ出かけてしまうんだろうね。

 

今回の10台の試乗で、良い方向にシフトしているモノとそうでないモノの差がハッキリと現れているなと感じた。既存の(というか基本的な)バイクの楽しみはスポイルせずに、それ以外の改善できる所はしっかりと変える、そう進化しているバイクは、最新型だろうが四発だろうが、それは楽しいバイクに進化している。方や最新技術にノスタルジーを加えただけの様な安易なものや、ただの最新技術のカタマリみたいなバイクは、乗っても屁とも思わない。

そしてこれは自動車にも言える事なのかもしれないけど、そもそもそんなに多くの車種が必要か?と、国産メーカーに対して思う。別に海外を贔屓している訳ではないが、海外メーカーは「この用途にはこれ」というシンプルなラインナップになっている。そういう潔さは、その用途にはどういう設計が一番いいのかという事を煮詰めていかないとリリースできない(もちろん例外もあるけど)。だからそれぞれが個性豊かだし、独創的な魅力を感じる。ガワだけ代えて中身は一緒みたいなものとは全然違うのだ。たいがい車種が増え始まると「苦しいんだろうな」と思うが、そこで踏ん張れるかどうかが、より魅力あるモデルを出せるかどうかに関わっているのだと思う。

バイク乗りって、気持ち良くてカッコいいのを求めてるのは同じだと思う。もちろんそれぞれ価値観は違うからそれぞれのツボがあるんだろうけど、基本は同じだと思う。そういう所に「自分こんな事までできるんスよ」と言われても「あっそ」で終わってしまうのと同じで、見当ハズレな技術てんこ盛りのバイクは一つも魅力的ではないし、楽しくない。これは何もバイクに限った事じゃなくて、あらゆる事に同じ事が言えるんじゃないかな。遊ぶ道具を作る側は、ユーザーより遊びが上手じゃないとね。

マジメが良いとされる風土のモノ作りは、こと「遊び」という点ではまだまだなのかもしれない。